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保護の成果見守る いきものネットワークがミヤマシジミ観察会

2017年8月27日

ミヤマシジミ観察会
 辰野町いきものネットワーク(土田秀実会長)は26日、絶滅危惧種のチョウ・ミヤマシジミの観察会を荒神山公園で開いた。土田会長によると、昨年はシーズン中に約500匹が確認されたが「ことしはほぼ倍ぐらいになるのでは」と予測。子どもから大人まで町内外の約20人が参加し、専門家の解説を交えながらじっくりと見入った。
 現在、辰野町内でミヤマシジミが生息するのは荒神山公園のみ。いきものネットワークは2010年に活動をスタートさせ、保護活動に従事してきた。15年にたつの海のえん堤改修工事が行われた時は、幼虫の食草コマツナギを植栽。草刈りなど整備作業も行い、生息環境の向上に尽力した。
 発生数の増加について土田会長は「たつの海には大きな木が少ない場所がある」「荒れ地のような場所を好むミヤマシジミに適した河原のような環境」「アリと共生する習性がある。そのためのアリが多く生息している」などと指摘。保護活動の成果も挙げた。
 参加者は遊歩道やたつの海南側の改修えん堤付近を探索。小学2年生の男の子は「ミヤマシジミは明るい青色をしていて、きれいだった。また見に来たい」。60歳代男性も「ヤマトシジミなど似ているチョウは見たことがあったが、改めて違いが分かった。こんなにたくさん見られるのは辰野町の誇り」などと話していた。
 解説を担当した信州大学名誉教授の中村寛志さんは「ミヤマシジミが去年、ことしで一気に増えたのは珍しい例。コマツナギの植栽などに地元の人たちが熱心に取り組んだおかげで、みんなで守るという気持ちの成果」と語った。
 土田会長は「去年に引き続き、たくさん発生しているのを見てもらえて良かった。小さい子も来ていたので、これから関心を持ってほしい。みなさんの見守りが保護につながるので協力を」と話していた。(たつの海周辺でミヤマシジミを探す参加者ら)